ボランティアのいろいろ

ボランティア活動を大きく10種に分類しました。
何をどうすればいいのか、自分に何ができるのか分からないという方は、参考にしてみてください。
1.集める2.ふれあう3.伝える4.教える5.ひろめる
6.まもる7.つくる8.手伝う9.整える10.かえていく

1.集める

収集は、気軽に始められるボランティア。一定量を集めると、集めたものが物品と交換されたり、援助活動などに役立てられます。また、買い物で、支援が必要な方々を援助することもできます。
使用済みテレホンカード・使用済み切手・書き損じハガキ
捨ててしまえば、ただのゴミですが、収集しているボランティア団体に送れば、発展途上国や福祉施設への寄付など、さまざまな活動に役立てられます。
ベルマーク・グリーンマーク・ロータスクーポン
日用品や紙製品についているこれらのマークを切り取り、それぞれの取り扱い団体に送ると、収集点数に応じて設備品などが送られてきたり、発展途上国への援助になったりします。
買い物
買い物で人に役立つことができる、さまざまな商品があります。例えば、ユニセフのカードなどの収益の半分は、途上国の子どもたちの救援活動に充てられます。また、手作りの魅力をもつ福祉施設のオリジナル商品(クッキーや石鹸、焼き物など)の購入も、障害者の方々の生活支援につながります。

2.ふれあう

どんなボランティア活動も、人とふれあうことから始まります。支援を必要とするお年寄りや子ども、障害者の方々との関係づくりの中からさまざまなことを学びましょう。また、異なる文化背景を持つ人々とのふれあいも、自己の成長につながります。
訪問する
老人ホームやひとり暮らしのお年寄りを訪問し、話を聞いたり、障害を持たれた方の施設を訪れ、交流しましょう。ゲームやスポーツで一緒に遊ぶのも、お互いの親交を深めます。また、保育園や幼稚園を訪れ、子どもたちと一緒に遊ぶのも楽しいボランティアです。
招待する
お年寄りを招き、戦争経験や人生観などを聞いたり、障害を持たれた方からは、生活する上での不自由さや介助の方法、社会に望むことなどを語ってもらいましょう。文化祭や運動会などにも参加してもらい、交流を深めましょう。
文通する
暑中見舞い・年賀状・クリスマスカードなどをお年寄りや施設の方々に定期的に送り、交流してみませんか。関係が育てば、一緒に活動したり、イベントを開いたりしましょう。
国際交流する
地域に住む異なる文化背景を持つ外国の方々と、パーティーやスポーツ、ハイキングなどで交流し、互いの文化や生活習慣を話し合いましょう。視野が広がり、多様な価値観を学べます。文通もいいでしょう。

3.伝える

地域に昔から伝わる文化や代々培われてきた生活の知恵などを体験的に学びましょう。後々には、あなた自身がさらに若い世代へと伝えていく立場になるでしょう。
伝統芸能
地域には、古くから伝わる祭りの踊りやみこしなどの伝統芸能や行事が残っています。地域の専門家に教わったり、自ら体験しながら身につけたりして、いろんな機会に発表し、たくさんの方々に伝えましょう。
伝統工芸
地域に伝わる竹細工など、昔ながらの伝統工芸品がどのように現代に受け継がれているかを知り、制作にチャレンジしてみましょう。また、竹馬や竹とんぼ、凧などの昔の遊具を手作りし、遊び楽しみましょう。
地域史をつくる
お年寄りにインタビューして昔の地域の様子を話してもらったり、史跡や寺院、神社などを訪ね歩き、資料を探すなどして、手作りの地域史をつくってみましょう。また、昔話や方言、民謡などのルーツを探るのもおもしろい活動です。

4.教える

子どもたちと遊んだり、宿題をみてあげたりして、楽しく交流しましょう。様々な年齢のこどもたちが集い、ふれあう経験を通して、子供たちの世界も豊かに広がります。
学習指導
地域の児童館などの施設で、子どもたちの宿題をみてあげたり、学習の手助けを行ったりします。時には、戸外の社会見学や野外活動を行い、交流を深めましょう。
遊び指導
家の中にこもって遊びがちな最近の子どもたちに、戸外で遊ぶ楽しさを教えましょう。かくれんぼや鬼ごっこ、缶けりなどを一緒に楽しみましょう。

5.ひろめる

ボランティア活動の輪を、個人からグループ、学校、地域へと広げましょう。情報交換、情報発信、イベント企画などをみんなで行います。
ミニコミ誌づくり
ボランティア活動で得た情報を積極的に広めるため、ミニコミ誌を発行しましょう。活動報告や体験談、調査結果の発表や意見交換・提案などの記事をつくり、グループで共有し、ボランティアの輪をさらに外部へと広げましょう。
イベント企画
自分たちの活動をもっと多くの人へアピールしていきたいと考え始めたら、イベントを企画しましょう。講演会や展示会、映画会を開いたり、地域の住民を巻き込んで「街づくりシンポジウム」を開催したり、外国の方を講師に外国料理講習会を催すなど、日頃の活動や興味に沿って企画し、地域全体の活動へとつなげていきましょう。

6.まもる

ゴミ問題、水質汚染、大気汚染、温室効果、酸性雨など、身近なところから地球レベルにいたるまで、自然破壊や環境汚染の問題はさまざまです。自分に何ができるか、身の回りの自然を見つめ、理解し、守る活動を行いましょう。
学ぶ
環境問題について理解を深めるため、本や雑誌を読み、関連する新聞記事を切り抜きましょう。テレビの関連番組をビデオにとってみんなで見て話し合ったり、専門家を招いて講演会を開きましょう。環境問題の知識を蓄え、活動に役立てましょう。
調べる
1週間分の自宅のゴミの量と種類を記録しましょう。1ケ月、1年ではどんな量になるでしょうか。また、地域のゴミ拾いを行い、ゴミの種類を調べたり、近くの川の様子を観察し、水質調査を行い、身近な視点から環境問題を考えましょう。
育てる
植物を種から育て観察記録をつけたり、昆虫や小鳥、ウサギなどの小動物を飼ってみましょう。ひとつの命が成長するには、どんな環境が必要でしょうか。野鳥がいそうな場所に巣箱を掛け、雛の成長を見守り、記録をつけてみましょう。

7.つくる

人に役立ちたい気持ちを、ものをつくることで表しましょう。手軽に作れるものからちょっと専門的なものまで、多彩な活動があります。
手芸品や小物など
手作りのぬいぐるみや手編みのマフラー、手で触って読む絵本などアイデア次第でなんでもOK。渡す相手に喜んでもらえるものを手作りしましょう。
食事
一人暮らしの高齢者か高齢者夫婦世帯、または障害のある人などに食事を作り提供する「食事サービス」という活動があります。地域の公民館などに集まって会食する「ふれあい型」と、自宅に届ける「生活援助型」とがあり、調理や配食にボランティアが関わっています。
朗読テープ、点字図書など
視覚障害者のために本や新聞などを朗読して録音し、朗読テープをつくったり、活字を点字に訳し、視覚障害者が読める点字図書を作成しましょう。いずれも専門性が要求されるため、講座などに通い、学んだうえで取り組みましょう。

8.手伝う

お年寄りや障害者が、不便なく日常生活を送る手助けをします。簡単なものから訓練の必要な専門的なものまで、いろいろな活動があります。
外出介助・用事代行(ガイドヘルパー)
お年寄りや障害者が外出する際に、一緒に歩く手助けをしたり、車イスの介助などを行います。まずは指導を受けて、介助方法を覚えましょう。また、郵便物差し出しや病院への薬取りなど、日常生活の中の用事を代わりに行う活動もあります。
施設の手伝い
施設で行われているエプロンやおむつなどの洗濯物を一緒にたたんだり、施設内の清掃や草取りなどを行いましょう。食事の配膳・後片付けや一人で食事をとれない人を手伝う仕事もあります。
催し物の手伝い
地域のボランティアセンターやボランティア団体が開催する催しに参加し、その運営や進行を手伝います。コンサートやスポーツ大会、模擬店の会場設営・受付・後片付けなどに大いに活躍しましょう。
手話・対面朗読
手話を学ぶことは、コミュニケーションの方法をひとつ増やすこと。手話ができれば、聴覚障害者の方との交流を深められ、手話の分からない人の通訳としてお手伝いできます。講習会やサークルに参加し学びましょう。また、視覚障害者の方に本や新聞などを対面朗読する活動もあります。

9.整える

日常生活を見直し、暮らし方をあらためて考え、実践していくことから地球にやさしい環境づくりが始まります。また、自分たちの街がお年寄りから障害者に配慮した住みやすい街なのかどうか調べ、考え、提案していきましょう。
日常生活の工夫
ビニール袋や紙袋は、元をただせば石油や木などの貴重な資源。買い物には、買い物袋を持参し、過剰包装は断りましょう。また、ラップやペーパータオルなど、一度に使い捨ててしまうものはできるだけ減らしましょう。資源の節約とゴミの減量になります。
美化
街がきれいだと、住む人の気持ちも明るくなります。道路や公園、山や川などのゴミを拾い、草抜きを行い、掃除しましょう。グループで定期的に活動すればより効果的。また、街路や空き地に花を植えれば、様々な生き物が寄ってきて小さな自然が育まれます。
リサイクル
ゴミは必ず分けて出しましょう。ビンやペットボトル、空き缶、発砲スチロールトレイなどは、資源ゴミとして回収され、リサイクルされます。また、古紙や牛乳パックは再生紙になります。
街づくり点検
車イスに乗ったり、アイマスクをして街を歩く体験をし、段差や通路幅などの不便な場所や危険な所を調査しましょう。さらに調査結果をまとめ上げ、福祉マップを作成し、誰もが住みよい街にするための提案をしていきましょう。

10.かえていく

どんなボランティア活動も、活動し始めることで確実に何かを変えていきます。いちばん変わるのはもちろんあなた自身。活動を通して、新しい人間関係を作り、生きた知識を吸収し、さまざまな経験を積む。そして、あなた自身が変われば、周囲の人々が変わり、さらには社会全体が変わることにつながっていくのです。


21世紀を今よりも生きやすく暮らしやすい、すべての人にひらかれた社会に変えていくのも、ひとりひとりのささやかな行動から始まります。ボランティアはその第一歩。

さあ、あなたも新しい自分を発見することを楽しみに、今から動き出してみませんか。