2013,06,19, Wednesday
6月6日(木)に第48回連絡協(長崎県市町社会福祉協議会連絡協議会)総会、翌7日(金)に研修会を開催しました。
総会では、24年度の事業・決算報告、25 年度の事業計画・予算の協議が行われました。 25年度は、九州北部4県の社協職員が集う「4県合同社協職員研究会議」を本県連絡協が幹事となり開催するほか、今年度が最終年となる「連絡協組織強化プラン」の評価・検討が行われます。 また、役員改選が行われ、新たな正副会長が選任されました。 会 長:波佐見町社協 池田雅秋事務局長 副会長:南島原市社協 池田茂森事務局長 副会長:新上五島町社協 前田種俊事務局長 ※議決事項及び資料を各市町社協に送付済みです。 ※「4県合同社協職員研究会議」は11月1日(金)~2日(土)に佐世保市で開催予定です。 今後、実行委員会で検討を行い、詳細が決まり次第ご案内します! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 事業報告では、2つのプロジェクトの24年度の検討項目や提案事項の報告も、各プロジェクトのリーダーからなされました。 【長崎県内の全ての社協が共通で取り組んでいけるような事業の開発プロジェクト】 通称「事業開発プロジェクト」。リーダーは松浦市社協 倉橋さんです。 『人材玉手箱』事業(講師人材登録・紹介事業)、8月10日ハートの日(=社協の日)全県アクション、社協事業の評価について検討をおこなってきました。 人材玉手箱事業は、25年度、県の2事業との連携で推進を図ります。 ハートの日全県アクションでは、「8月10日はハートの日。ハートをつなぐ社協です❤」をキャッチフレーズに、同じ時期に各社協で独自事業を行なったり、既存事業の際にオリジナルグッズやチラシを配布するなどしてPR効果が高まることを期待しています。そのためのグッズとして開発したクリアファイルとポロシャツには考えていた以上の注文をいただいたことに感謝の言葉が伝えられました。また、新上五島町社協では、8月10日に「ハートの日・社協フェスタ」を開催するとのことで、その紹介を新上五島町社協からしていただきました。 また、25年度への継続検討事項として、「社協事業の評価」については、事業評価で得られる効果を ①社協活動の推進管理(計画性) ②効果的・効率的な事業の推進(効率性) ③住民、行政等への報告(公開性・開示性) ④新規事業の開発・研究(先駆性) として、わかりづらいとされる社協活動を「見せる化」するという視点や、評価や外部評価を味方につける“戦略”の視点からの評価方法を考えることとしていることが報告されました。 【災害対応プログラム開発プロジェクト】 リーダーは、南島原市社協 井上さんです。 まず、4月に提案をした「職員災害時初動マニュアル」は、災害時に社協がすべきこと、社協職員としてすべきこと、社協にしかできないことを、県内社協職員が共通認識を持つためのひとつとして作成したことが伝えられました。 マニュアルは、各市町社協でたたき台としてもらうためのものであること、各市町社協で検討し、それを活用して研修や訓練を行い、再検討をしていくことで、独自のマニュアルにしてもらうことを考えたものになっています。 マニュアルの巻頭には、「なぜ、社協が災害時に動くのか」が示されていますが、これは、社協職員全員が持つことを考え、ヘルパーやデイサービス職員等にも分かりやすい表現にしたとのこと。 今後は、この職員災害時初動マニュアルが本当に生きるか、研修を希望する社協に出向き、アドバイスを行いながら、その社協独自の職員マニュアルにしてもらうことをめざします。 また、25年度は、これも各市町社協におけるたたき台としてもらう、災害ボランティアセンター運営マニュアルの原案を作成予定です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 今年度の総会時研修では、県社協が策定した、「長崎県版『社協・生活支援活動強化方針』社協は今、地域とどう向き合うべきか~がんばらんば社協。」に沿って、社協が“なくてはならない存在”になるために必要なことは何なのかを考えました。 6月6日、総会終了後に、県社協地域福祉部 岩永部長による『がんばらんば社協。』のポイント講座。 生活困窮者の増加により深刻化する生活課題や、社協のこれまでの取り組みと使命、そして「社協は本当に住民の生活課題に応えているのか?」という指摘等が示されました。 そして、『がんばらんば社協。』で県内市町社協に提案された「各市町社協版『生活支援活動強化方針』の策定」「総合相談体制の強化」「生活支援活動の強化」、また、全社協の方針で提言されたアクションプランの5項目を進めるにあたっての取り組みのポイントについて、五島市富江町琴石地区の実践事例を交えながら説明がありました。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 翌6月7日は、『がんばらんば社協。』でも提案されている取り組みを実施している2市町社協からの発表をいただきました。 【大村市社会福祉協議会】 大村市社協山下次長から、「社協と福祉事業所との連携について」と題して、大村市自立支援協議会の取り組みを中心に発表いただきました。 大村市自立支援協議会は、地域で障がい者を支えるため地域が協働する場として地域づくりの中核と位置づけられています。 共通の目的に向け、情報を共有して、具体的に協働する地域の関係者によるネットワークとプロセスが地域自立支援協議会であるとして、 ○自己完結に陥らない(ネットワークで取り組む基盤をつくる) ○他人ごとにとらえない(地域の課題を的確に把握する) ○できることから進める(成功体験を積み重ねる) ○取り組みの成果を確認する(相互に評価する) という理念があります。 体制は、 ①全体会 …年2~3回 ②委員会 …運営会議(事務局会議)…随時 市と社協 …定例会議(部会代表者会議)…隔月1回 ③部会(6部会)…毎月開催 となっており、各サービス事業所等の課題をそれぞれの部会で検討し、全体会へ報告されます。 ※詳しくは大村市社会福祉協議会ホームページをご覧ください 大村市社協では、この自立支援協議会のほかにも、大村市在宅ケアセミナー(医療・保健・福祉関係者により隔月開催)、各事業所連絡協議会(それぞれの事業所の連絡会議)、事業所の販売促進ネットワーク会議“オレンジクローバー”(販売戦略、工賃up、本人の自覚up等の検討)等で連携強化を図っています。 ではなぜ、社協と事業所との連携が必要なのか? そこには、次のこたえがありました。 ○皆さんの抱えている問題(個別課題)を協議する場が必要 ○皆さんの市町の課題を明確にし、行政と共に協働する場 ○協議会を通じて関係者のネットワーク・連携を強化する場 ○関係機関の関係者の意識・支援力をレベルアップする場 総合相談の中で、“障がい”は避けて通れません。そのような中で、「社協がすべてを解決できる、というのは驕りだ」という言葉が深く心に残りました。 場所づくり、きっかけづくりを社協は求められているということを強く感じさせられました。 【佐々町社会福祉協議会】 大瀬局長から「『がんばらんば社協。』に、どう向き合うべきか」と題して、総合相談・生活支援事業への取り組みについて発表をいただきました。 佐々町社協は25年度事業計画の重点事項として、「総合相談・生活支援事業への取り組み」を掲げています。今年度、職員体制の確立と資質の向上、総合相談機能の充実・強化を図ります。 きっかけは、昨年11月に同社協が実施した役職員合同研修会で、社会福祉法人の本来の役割や、社協における地域支援のあり方、全社協の方針が語られたことからだったといいます。 同社協は、いわゆる事務系職員は4名と、長崎県内でも職員数が少ない社協。 これまでも実施してきた24時間365日体制の相談受付(夜間は転送電話利用)等を実施してきましたが、今年度から福祉活動専門員として専任職員を配置してアウトリーチに取り組みます。 現在町内で年間350回近く行われている地域デイサービス(サロン)事業を活用し、民生委員や福祉協力員と連携をとりながら、「身近で」&「いつでも」を合言葉に、要援護者等のネットワーク構築と整備を行っていきます。「その場で相談がなくても、なにげなくかわす会話からいろんな情報を得ることができ、次の相談にもつながる。日常会話の中からキャッチしていく力が必要」という言葉に参加者はうなずいていました。 デイ世話人(ボランティア)との連携で消費者被害(訪問販売)の契約破棄にこぎつけた実例も報告いただきました。高齢者の「(独りで)さびしい」気持ちにつけこんだ業者とあたかも友人のような関係がつくられていて、被害を防げても“関係が壊れてしまった”とその高齢者が感じていたことから、「身近で」&「いつでも」自分たち社協がいますよ、ということを強く伝えながらも、それまで社協がそのような存在になっていなかったことの反省を語られました。 タイトルにある両方向への矢印は、「これからの社協がそれぞれの地域で、そこに住む住民の方々にあった、いろいろな方法を使って、その地域に合わせた方向から向き合うことができれば、これからの活動そして社協自体も「なくてはならない」意義のあるより良いモノになる」という意味が込められています。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ その後のグループワークでは、「発表された事業や方針で提案された事業に自分の社協でも取り組もう!」として、現在の参加者自ら(またその社協)の強みと弱みを発見し、今・取り組むべきことは何なのかを探りました。 各グループ意見が出そろったら、他のグループを見て回りながら、「このアイディアはいいね!」「この取り組みはいいね!」な付箋に金のシールを貼っていきました。貼れるのは一人10枚まで。 「いいね!」シールが多かった2つのグループに全体発表を、ほかのグループにはテーマと一番シールが多かった付箋を発表してもらいました。 研修の最後は、参加者一人ひとりの決意表明。カードに思いを書いて研修終了となりました。 これからの各市町社協での取り組みに期待です! | その他 | 11:51 AM | comments (x) |
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